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【医師の方向け】5分でわかる生命保険の基本知識

「医師」と「生命保険」の接点は多いといわれています。

生命保険加入者を診査する「嘱託医」として、保険会社と提携されている方もいらっしゃるかもしれません。

 

生命保険は保険会社ごとに商品内容は異なり、千差万別で非常にわかりにくいという声を耳にします。

そこで、今回は生命保険の基本形となる保険の種類をいくつか紹介するとともに、生命保険がもつ機能や役割についても紹介します。

生命保険とは?

生命保険はお互いが助け合う「相互扶助の精神」で成り立っています。

生命保険の加入者どうしがお金(保険料)を出し合って、加入者の中で死亡した場合などの有事があった際に、お金(保険金)が支払われる仕組みです。

生命保険の3つの基本型

生命保険にはたくさんの種類があり、「よくわからない!」というのが皆さんの生命保険のイメージではないでしょうか。

では、まず生命保険には大きく3つの基本型があることを紹介します。

1.死亡保険

生命保険の中でも最も主流といわれている死亡保険は、病気や事故などで死亡・高度障害になった場合に保険金が支払われる生命保険です。

個人の場合は、家計を支えている一家の大黒柱が死亡した場合、ご遺族が生活に困窮しないように、生命保険に加入します。

 

また、法人の場合では、経営の重要業務を担う代表者などが死亡した場合、借入金の返済や資金繰りなどによる経営悪化を招かないように、「事業保障」という意味合いで生命保険を活用するケースもあります。

2.生存保険

生存保険は、生存していた場合に保険金が支払われる生命保険です。

医療技術の進歩により、現在の日本社会は急速な人口減少と超高齢化社会です。「死亡リスク」だけではなく、「生きるリスク」も潜在化しており、「老後破綻」「資産寿命」「老後2,000万円問題」などが、社会的にクローズアップされています。

 

生存保険の代表的な商品である個人年金保険は、現代社会にマッチした生命保険と言えるかもしれません。

3.生死混合保険

生死混合保険は死亡保険と生存保険を組み合わせた生命保険です。

生命保険に加入してから一定期間(保険期間)中に死亡すると死亡保険金が支払われます。

一方、一定期間終了時(満期時)に生存していた場合は満期金の支払いがある生命保険です。

主契約と特約について

生命保険は「主契約」と「特約」で構成されています。特約を付帯しなくても構いませんが、主契約は必要であり、特約だけでは契約できません。

たとえば、ガン治療で健康保険の対象外となる「陽子線治療」「重粒子治療」にかかる費用をカバーする「先進医療特約」などは、特約単独では契約できず、医療保険やがん保険などの主契約に付帯する形となります。

主な生命保険商品

生命保険は保険の役割と機能として、わたしたちが抱えるそれぞれの潜在リスク別にラインナップされています。

死亡・高度障害リスクに備える生命保険

「死亡保険」と呼ばれており、病気やケガによる死亡・高度障害リスクに備える生命保険は、保険会社の主力商品の一つです。貯蓄性の保険、掛け捨て保険など、さまざまなタイプがありますが、その中でも主要な5つの死亡保険を紹介します。

終身保険は一生涯保障で貯蓄性あり!

「終身」という言葉でわかるように、一生涯死亡保障が続く生命保険で、死亡・高度障害になった場合に保険金が支払われます。

たとえば、「終身保険金額1,000万」の保険では、死亡時または高度障害時に1,000万円の保険金が支払われるのです。

 

後述の「定期保険」や「収入保障保険」などの掛け捨ての生命保険とは異なり、終身保険は「養老保険」に次ぐ貯蓄性のある生命保険です。

途中で解約した場合、死亡・高度障害の保障は解約時点で終了しますが、解約返戻金が戻ってきます。

定期保険は保障期間が決まっているので割安!?

終身保険とは異なり保険期間が決まっているのが定期保険です。

保険期間中に死亡・高度障害になった場合に保険金が支払われます。

定期保険の保険期間は、保険会社の規定に基づいて、原則、自由に設定可能です。

 

定期保険は、途中の解約返戻金が少ない掛け捨て色の強い生命保険で、保険期間が短いほど途中解約した場合の解約返戻金は少なくなります。

また、定期保険を特約化した「定期保険特約付き終身保険」は、昔から広く一般的に販売されてきた生命保険になります。

養老保険は満期金が受け取れる!

養老保険は保険期間が決まっており、保険期間中に死亡・高度障害の場合には死亡・高度障害保険金を、生存した場合は満期保険金を受け取れる代表的な生死混合保険です。

生命保険の中では、最も貯蓄性のある生命保険であり、死亡・高度障害保障と貯蓄の両方をセットで行いたい人に適している生命保険といわれています。

収入保障保険は保険料が割安で合理的!

死亡・高度障害になった場合に、年金もしくは一時金が支払われる生命保険です。

保険金を年金形式か一時金形式のどちらかで受け取るかは、保険金受取人が選択できます。

 

収入保障保険は定期保険と同じく掛け捨て保険ですが、その仕組みは少し異なります。

定期保険は保険金額が一定であるのに対し、収入保障保険は経過するにつれて支払われる保険金(一時金か年金受取期間)が逓減する仕組みであり、保険料は定期保険よりも安く合理的な生命保険といわれています。

変額保険は投資商品!?

変額保険は投資の要素を含んだ生命保険で、保険会社が加入者から支払われた保険料を運用し、その運用実績によって保険金や解約返戻金などが増減する保険です。

基本保険金額は運用実績にかかわらず最低保証される一方、満期まで生存した場合は満期保険金が支払われますが、満期保険金額には最低保証がありません。

保険会社の運用次第で、大きな収益が期待できる反面、大きな損失に発展する可能性がある生命保険です。

病気・ケガによる入院リスクに備える生命保険

次に病気やケガによる入院リスクなどに備える生命保険を紹介します。

医療保険は選び方が重要!

医療保険とは、病気やケガで入院した時に入院給付金が支払われる生命保険で、各保険会社からさまざまなタイプの医療保険が販売されています。

公的医療保険の健康保険で医療費はカバーされるものの、1~3割は自己負担しなければならず、保険会社を通じて民間の医療保険が販売されているわけです。

また前述の「先進医療特約」など、主契約である医療保険に付帯できる特約は数多くあるのも特徴の一つです。

がん保険は給付金の種類が多い!

がん保険は、「がん」と診断された時に保険金が支払われる生命保険で、一般的には「診断給付金」「手術給付金」「入院給付金」「通院給付金」などがあります。

一方、特定疾病(三大疾病)保障保険は、「がん」だけではなく、「急性心筋梗塞」「脳卒中」で所定の状態になった場合に保険金が支払われる生命保険です。

生きるリスク・老後リスクに備える保険(個人年金保険)

生存保険の一つである個人年金保険は公的年金の上乗せとして貯蓄性があり、老後の備えとなる年金形式で受け取る生命保険です。

個人年金保険には、定額タイプと変額タイプの2種類があります。

 

定額タイプは保険料を払い込んで、払込満了後から定額の年金を受け取る個人年金です。

年金受取開始前に死亡すると、それまでに払い込んだ保険料相当額の死亡給付金が支払われます。

 

一方、変額個人年金保険の仕組みは、変額保険と同じで、加入者が支払った保険料を保険会社が運用し、その運用実績によって受け取る年金額が増減する個人年金保険です。

一般的に、年金受取開始前の死亡保険は最低保証がある一方、受取年金総額は運用実績次第で将来増える可能性もあれば、損失が出るケースもあります。

生命保険の機能と役割

前記までは、「死亡リスク」「入院リスク」「生きるリスク」「老後リスク」など、生命保険の「保険」としての機能と役割を中心に解説しました。

しかし生命保険は「保険」以外の機能と役割がある「金融商品」であり、保険以外にどのような機能と役割があるか、個人と法人の両面で解説します。

【機能1】生命保険による貯蓄・資産運用

貯蓄性のある養老保険や終身保険では、元本(払込保険料の総額)を割り込むケースは多いものの、「預貯金と保険」を兼ね備えたイメージの人気がある生命保険です。

また、変額タイプの生命保険は、「投資信託」と生命保険がセットになった金融商品であり、投資商品の性格をもっています。

 

さらに日本円ではなく、外貨(米ドルやユーロ、豪ドルなど)で保険料を払い込む「外貨建て生命保険」なども販売されています。

外貨建て生命保険では、契約時点よりも円安になれば利益となり、逆に契約時よりも円高になれば損失となる、為替リスクがあるハイリスクハイリターンの金融商品です。

【機能2】生命保険による相続対策

相続発生後に支払わなければならない「相続税」の準備資金の機能として、生命保険は相続対策でも活用されています。

生命保険は「法定相続人数×500万」まで相続税が非課税となっており、この「非課税枠」を有効に利用されているケースは多く見受けられます。

【機能3】生命保険による退職金準備(法人対象)

法人の場合、経営者に対する「役員退職金準備」や、経営者に対する死亡リスクへの「事業保障」として、生命保険が活用されています。

例えば、理事長に対する勇退退職金・死亡退職金・弔慰金として、生命保険を活用している医療法人も多くみられます。

まとめ

今回は医師の皆さま向けに、生命保険の基本知識をまとめて紹介しました。

 

今後の生命保険はさらに進化する可能性が高く、その鍵となるのは最先端テクノロジーだといわれています。

たとえば、スマートウォッチのApple Watchには、心電図・心拍数・血中酸素の測定機能が装備されており、今後そのデータを活用した新型の生命保険や、保険料割引サービスなどが検討されています。

 

今後、金融商品として、またテクノロジーの進化とともに、変貌する生命保険の動向は注目です。